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ご挨拶
 
理事長

一般社団法人 日本性感染症学会 理事長 三鴨廣繁
(愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学 教授)

2018年11月より伝統ある一般社団法人日本性感染症学会の第9代目の理事長を拝命した愛知医科大学の三鴨廣繁です。若輩者ながら理事長職を拝命することになり身の引き締まる思いでございますが、先輩の先生方ならびに会員の先生方のご協力を得て責務を果たしていく所存でございますので何卒よろしくお願い申し上げます。
 日本性感染症学会は1988年12月4日に性感染症の研究や社会的啓発の充実および治療学や予防対策の発展により、性感染症流行に歯止めをかけることを目的として設立されました。学会は、小野寺昭一前々理事長時代に一般社団法人化され、社会的責務がますます高まっております。
 人類は15世紀に当時は性感染症と捉えられていなかったものの「梅毒」を全世界に拡散させましたが、20世紀には再び性感染症「HIV感染症」を全世界に拡散させています。この歴史的な事実は、人類の子孫繁栄と関係する性に纏わる疾患の制御がいかに困難なものかを物語っていると思います。性感染症を減少させるためには、「性感染症を多角的に考える」必要性があり、私自身は性感染症制御のために、横断的な研究領域「性感染症制御学」確立の必要性を痛切に感じている次第です。
 最近では、薬剤耐性微生物の増加、新規抗感染症薬の開発の停滞などを背景として、いくつかの新興・再興感染症、薬剤耐性微生物による感染症などが増加しており、世界的に大きな問題となっています。性感染症においては代表的な再興感染症として梅毒があげられますが、梅毒は2018年現在増加傾向が止まらず、緊急対応が必要な疾患の一つになっています。さらに、いくつかのがんと感染症の関連も指摘されるようになっていますが、その代表的な疾患の一つにヒトパピローマウイルス感染症があげられ、これは性感染症として重要な感染症の一つです。また、薬剤耐性淋菌の問題は、米国Centers for Disease Control and Prevention(CDC)やWorld Health Organization(WHO)が最も警戒すべき薬剤耐性菌の一つにあげています。さらに、Mycoplasma genitaliumのマクロライド系薬やキノロン系薬に対する薬剤耐性も臨床上大きな問題になりつつあるのが現状です。HIV感染症も世界の中でも日本は早期発見のための積極的な検査、予防啓発の必要性が高いとされています。最も患者数が多いクラミジア感染症も減少しているとは言え、依然として患者数が多いのが現状です。
 性感染症制御には性教育も含んだ啓発活動の重要性が叫ばれ、学会、医師会、特定非営利活動法人(NPO)などの各種団体以外に厚生労働省、文部科学省等の指導下でも保健所、学校教育機関などにおいて性教育やコンドーム使用キャンペーン等の具体的な取り組みが行われ、国家的プロジェクトとしても取り上げられてきました。しかしながら、現場で性感染症患者の診療にあたる医師の取り組みには医師によって大きな温度差があるといっても過言ではありません。性感染症学会等に所属していない医療従事者に対する啓発は今後の重要な課題の一つです。
 このような中で、我々は、医療行為のみならず、保健行政等も含めた社会医学の立場も含めた「性感染症制御学」という横断的な新しい研究領域を確立する必要に迫られています。「性感染症制御学」は、基礎医学、診断学、症候学、治療学、社会医学(疫学を含む)、予防医学、教育学など多方面からのアプローチが必要とされます。学会として、「性感染症科」の標榜を目指していくことも重要な課題の一つです。
 日本性感染症学会は、性感染症への正しい知識と対応を普及させること、学術的研究が推進されることを使命として、今後も活動していく所存でございます。
 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 
(2018年12月)
 
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